開業に関連する申請処理

訪問美容・出張美容事業を始める前に確認するべき!独立後の健康保険・年金の切り替え手続き

開業に関連する申請処理

理美容師が独立開業するときには、保険や年金を見直す必要があります。

この記事では健康保険と年金について理解を深めていきます。

健康保険を切り替える

加入中の健康保険の把握と切り替え手続きについて解説していきます。

健康保険の切替が必要となる場合

独立開業後は、健康保険の加入・支払いをあなたが個人で行う必要があります。

あなたが現在加入している保険によって、今後加入できる健康保険の選択肢が異なります。

正社員としてサロンで勤めている場合、あなたは会社の社会保険に加入しています。

社会保険に加入していた場合、独立後は以下の2つの選択肢が存在します。

  • 国民健康保険への加入
  • 社会保険の継続

ただし、例外もあります。

会社が加入している健康保険組合によっては継続ができないものもあります。
(サロン・実店舗がないと継続不可など)

  • 東京美容国民健康保険組合
  • 大阪府整容国民健康保険組合
  • など

この場合は国民健康保険に加入するしかありません。

保険の提供する一般的な内容

国民健康保険・社会保険の特徴を見ていきます。

一般的な保証内容としては下記になります。

  • 医療費の一部を負担 70歳までは3割負担
  • 出産育児一時金 42万円の支給(産科医療補償制度加入の病院で分娩した場合)
  • 高額の医療費を補填

それぞれの保険の特徴について理解を深めていきます。

国民健康保険

国民健康保険は以下の人たちを対象とした保険です。

  • 個人事業主(自営業)
  • 個人経営の会社に勤めている人とその家族
  • 退職して職場の健康保険をやめた方

そのため、ほとんどの理美容師はサロンを辞めた後に国民健康保険に加入します。

国民健康保険のメリット

国民健康保険の最大のメリットは、所得に応じて保険料が決まるということです。

サロンで勤めていた場合、支払われる給料によって保険料が決まっています。

しかし、国民健康保険は所得に応じて保険料が決まります。

所得とは収入から経費を引いたものになります。

収入(売り上げ) - 経費 = 所得

訪問美容の収入からカラー剤やパーマ剤などの経費を引いたものが所得になります。

そのため、ほとんどの場合において保険料が安くなることが多いです。

国民健康保険のデメリット

所得が上がればその分、保険料は割高になります。

また、扶養家族がいる場合もその分保険料が高くなります。

大きな収入を得る見通しが立っている場合は事業の法人化を検討しましょう。

国民健康保険への加入方法

住んでいる地域の役所の健康保険の担当窓口でおこないます。

退職日から14日以内に手続きを行いましょう。

加入手続きには以下のものが必要です。

  • 退職時に会社から発行される退職日や保険喪失日が分かる書類
    • 離職票
    • 健康保険資格喪失証明書
    • 退職証明書
  • 運転免許証やパスポートなどの身分証明書

「健康保険資格喪失証明書」の発行に関しては、事前に会社に相談しておきましょう。

発行までに1か月程度かかる場合があります。

未加入の期間が発生しないように事前に準備しておきましょう。

社会保険の継続

正社員として社会保険を払っていた人は、社会保険を2年間だけ継続できます。

ただし、社会保険の継続には下記の条件があります。

  • 退職日以前に継続して2カ月以上の被保険者期間があること 
  • 退職日の翌日から20日以内に手続きが必要

社会保険の継続メリット

これまで受けてきた社会保険の特典を受けることができます。

社会保険の継続デメリット

保険料は全て自己負担となります。

そのため、サロンで正社員として勤めていた頃よりも保険料は高額になります。

ただし、扶養家族が多い場合は国保よりも割安になる可能性があります。

社会保険の継続の方法

任意継続被保険者資格取得申出書を健康保険組合に直接提出します。

年金の切り替え

年金の切り替えについて解説していきます。

年金の切り替えが必要となる場合

正社員で勤めていた場合、あなたは厚生年金に加入しています。

しかし、独立して開業するとなると国民年金に切り替える必要があります。

社会保険のような継続制度はありません。

ちなみに、下記の保険組合に加入している場合は切り替えの必要はありません。

  • 東京美容国民健康保険組合
  • 大阪府整容国民健康保険組合

既に国民年金に加入しています。

国民年金に切り替える方法

国民年金への切り替えは、住んでいる地域の役所の国民年金担当窓口でおこないます。

退職日から14日以内に手続きを行いましょう。

国民健康保険と同じタイミングで切り替えが可能なので、手続きを一緒に済ませてしまうことをオススメします。

切り替え手続きには以下のものが必要です。

  • 年金手帳
  • 退職時に会社から発行される退職日や保険喪失日が分かる書類
    • 離職票
    • 健康保険資格喪失証明書
    • 退職証明書
  • 運転免許証やパスポートなどの身分証明書
  • 印鑑

国民年金の切り替えにも「健康保険資格喪失証明書」が必要になります。

事前に会社に相談しておきましょう。

その他の手続き

その他の可能な手続きとして、開業時に役立つ申請をご紹介します。

意外なことに国民健康保険や国民年金の免除・減額申請も可能です。

開業の翌年以降も申請可能なので、所得に応じて検討してみることをオススメします。

国民健康保険の軽減

国民健康保険への切り替え時に、国民健康保険軽減の相談をしてみましょう。

すると、窓口で減税処置を申請するための書類がもらえます。

一旦は前年度の所得で保険料が計算されますが、申請が受理されれば保険料は再計算されます。

ただし、地域によって多少の違いがあります。
詳しくは窓口で確認してみてください。

国民年金の免除

国民年金切り替え時に免除申請の相談をしてみましょう。
窓口で免除処理と申請するための書類がもらえます。

ただし、1つ注意しなければならないことがあります。
老後に年金をもらえる額が2分の1になります。
そのためよく検討してから申請してください。

また、国民年金に関しては過去10年間の未納をさかのぼって納めることができます。
余裕が出た時に支払うことを視野に入れてもいいかもしれません。

詳しくは窓口で確認してみてください。

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